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(読書記録)『資本主義はなぜ限界なのか 脱成長の経済学』(江原慶:著、ちくま新書)
2026.02.08
・ですます調で書かれた文章で、わかりやすい本です。
・本文フォントは精興社書体です。
・経済成長はし続けなければいけないという、頻繁に言われていてしかしその理由や将来像について正直よく分かっていなかった(今も分かってはいません)言説を、無理が少なくほどいてくれるような内容です。
・経済成長を追求することによって地球環境が人間の生存を脅かすレベルで悪化しているので、それを改善するための取り組みや、それらと結びつくようなインフラ事業を積極的に(全地球規模で/かついわゆる経済先進国とよばれる国々がより献身的に)行っていくことの必要性を説いている。またそれらの事業は完全に民営・市場原理に委ねるのではなく公営(税金を厚めに徴収し、適切にこれらの事業に再配分する)でも維持するべき。
・上記の環境対策や、さらには福祉や文化に税収をどれだけ費やすか、そもそも税金をどのようにどれだけ集めるかという問題は、結局は社会で冷静な議論を行って取り組むしかないことであるが、「経済成長」という言葉に頼ることで私たちはその議論をないがしろにしている。
・企業の環境対策への評価を株式に対する評価にも折り込んでいくことで、脱成長しながらも株価が暴落しないはず。
・現在の税制のまま脱成長を目指すと金利が上昇した際に国際の利払いに耐えられない(一般的には経済成長が鈍ると税収が低下するから)。
・国債発行を増やすと、国債を保有している人(≒富裕層、もしくは経済的弱者でない人)への富の再配分となってしまう
・かつ、利払い能力への不安があるため、国が経済成長できるかどうか(の市場的予測)によって、国の貨幣の価値が大きく左右されてしまう危険がある
・経済成長に頼らず貨幣の価値も下げないでやっていくには、増税と税収の適切な再配分は不可避
・社会の維持や、社会で(経済的その他の)困難を抱える人々を支えながら社会を再構成していくことを、議論し考え実践することが脱成長を目指すことである
・脱成長(および、その帰結としての脱資本主義)しなければ、人間の生活は保たないし、侵略による略奪はなくならない